あなたは、「道徳」という言葉を聞いたことがありますか?
もちろん、聞いたことがあると思います。
それでは、あなたは、道徳の意味を明確に理解していますか?
「道徳とは何か」「道徳的行動や生き方とは、どのようなものか」「何が道徳的に『正しいこと』で、何が『間違っていること』か」等を明確に理解していますか?
ほとんどの人は、明確には理解していないと思います。
ですが、道徳を明確に理解していなかったら、「道徳的行動」や「道徳的生き方」を十分にすることはできません。
例えば、料理をしようと思っても、その料理の作り方を何となくしか理解していなかったら、それを上手に作ることはできません。
また、野球をしようと思っても、野球のルールや、そのやり方を、何となくしか理解していなかったら、十分にプレーすることはできません。
それと同じで、「道徳的行動」や「道徳的生き方」をしようと思っても、道徳を何となくしか理解していなかったら、それらを十分にすることはできないのです。
ですから、「道徳的行動」や「道徳的生き方」をするためには、道徳を明確に理解する必要があります。
私たちは、道徳を明確に理解することによって、「道徳的行動」や「道徳的生き方」を十分にすることができるようになるのです。
それでは、道徳とは何なのでしょうか?
広辞苑で道徳の意味を調べると、次のように書かれています。
人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、あるいは成員相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的な原理。今日では、自然や文化財や技術品など、事物に対する人間の在るべき態度もこれに含まれる。
あなたは、これを読んで、どう思いましたか?
私は、正直、分かりづらいと思いました。
辞書においては、言葉の意味をできるだけ正確に伝える必要があるので、このような難しい説明になるのは、仕方がないかもしれません。
ですが、教育を通じて、多くの人を、「道徳的行動」や「道徳的生き方」ができるようにするためには、道徳をできるだけ実用的なものにし、できるだけ分かりやすく伝える必要があります。
そこで、私は、道徳について研究することにしました。
私は、社会学者エミール・デュルケムの「道徳とは、規律のことである」という考えに注目しました。
彼が言う「規律」とは、「社会の秩序を維持するための規則(行動規範)」のことです。
社会の秩序を維持するためには、基本的には、全ての人が、「社会の秩序を維持して生きる」必要があります。
つまり、「社会の秩序を維持するための規則(行動規範)」に則って生きる必要があります。
この「規則(行動規範)」、つまり「規律」は、明文化されているわけではありませんし、強制力があるわけでもありません。
ですが、いずれにしろ、社会の秩序を維持するためには、全ての人が、「社会の秩序を維持して生きる」必要があります。
つまり、そのための「規律」に則って生きる必要があるのです。
デュルケムは、そのような「規律」を道徳と捉えることが重要だと考えたのです。
私は、そこからヒントを得て、「『全ての人が幸せを感じられる社会』を維持するための規律(規則)」を道徳と定義しました。
ここで言う「全ての人が幸せを感じられる社会」とは、「戦争がない」「犯罪が少ない」「いじめが少ない」「自殺者が少ない」「病死、事故死が少ない」「交通事故が少ない」「失業率が低い」「貧困率が低い」「衣、食、住等の、生活に必要なものが行き渡っている」「子供からお年寄りまで、全ての人が、健康に安全に暮らせる環境である」「教育が行き届いている」といった状態の社会のことです。
全ての人は、基本的に幸せを求めていますが、戦争があったり、犯罪が多かったり、いじめが多かったり、自殺者がたくさんいるようなストレスが多い社会であったり、病死・事故死が多かったり、生活に必要なものがいきわたっていなかったりしたら、幸せを感じることは、とても難しいです。
ですから、私は、社会は、そのような「全ての人が幸せを感じられる状態」であるべきだと考えています。
また、全ての人は、そのような社会を維持して生きていくべきだと考えています。
そして、そのために必要な道徳性を、しっかり身に付けているべきだと考えています。
世の中の全ての人が、そのような道徳性を身に付け、そのような生き方をしていれば、「全ての人が幸せを感じられる社会」が実現し、維持されます。
そして、「全ての人が幸せを感じられる社会」が実現し、維持されれば、全ての人が、幸せを感じることができるのです。
このような考えから、やまと式道徳教育では、「『全ての人が幸せを感じられる社会』を維持するための規律(規則)」を道徳と定義しています。
また、「『全ての人が幸せを感じられる社会』を実現させる生き方、維持する生き方」を、「道徳的生き方」と考えています。 そして、「全ての人が幸せを感じられる社会」を維持して生きるために必要となる、正直、誠実、節度、節制、勇気、強い意志、自主、向上心、克己、親切、思いやり、感謝、礼儀、友情、信頼、相互理解、寛容、公平、公正、社会正義、勤労、公共の精神、家族愛、公徳心、自然愛護等の資質を、「道徳的資質」と捉えています。
まとめ
やまと式道徳教育では、「社会は、『全ての人が幸せを感じられる状態』であるべきである」と考えています。
具体的には、「戦争がない」「犯罪が少ない」「いじめが少ない」「自殺者が少ない」「病死、事故死が少ない」「交通事故が少ない」「失業率が低い」「貧困率が低い」「衣、食、住等の、生活に必要なものが行き渡っている」「子供からお年寄りまで、全ての人が、健康に安全に暮らせる環境である」「教育が行き届いている」、このような状態であるべきであると考えています。
そこから、やまと式道徳教育では、「『全ての人が幸せを感じられる社会』を維持するための規律(規則)」を、道徳と定義しています。
また、「『全ての人が幸せを感じられる社会』を実現させる生き方、維持する生き方」を、「道徳的生き方」と考えています。
そして、「全ての人が幸せを感じられる社会」を維持して生きるために必要となる、正直、誠実、節度、節制、勇気、強い意志、自主、向上心、克己、親切、思いやり、感謝、礼儀、友情、信頼、相互理解、寛容、公平、公正、社会正義、勤労、公共の精神、家族愛、公徳心、自然愛護等の資質を、「道徳的資質」と捉えています。
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